まず初めに、活動を支えて下さった、監督・コーチの方々、OBOGの皆さまに厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。加えて、絶えず応援を続けて下さった、父母会・校友会・学校関係者様、ファンの方々そしてこの4年間一番近くで支えてくれた両親にも感謝の気持ちを伝えたいです。沢山の方々からのアドバイスや応援、言葉、差し入れ、想い、このような全ての支えがあったから、この4年間を過ごすことができました。本当にありがとうございます。
全日本インカレの結果は総合9位となり目標の6位入賞に及ばず、悔しい気持ちは拭えないです。しかし、これは選手たちと全身全霊を懸けて戦った結果なので、しっかりと受け止めたいと思います。
さて、この場で何を書こうか考えましたが、大切なことは引退ミーティングの際に現役部員に向けてしっかりと伝えたので、ここでは4年間を振り返ってプレイヤーとマネージャーどちらも経験した立場から感じたことと、後輩への応援メッセージの2つを書こうと思います。同期からいつも話が長いと言われてきましたが、文章もまとめるのが下手なようで長くなってしまいました。ご容赦ください。
はじめに、プレイヤーからマネージャーになって感じた応援することの難しさと私にとって特別な「頑張れ」についてです。私は1年生の12月頃にプレイヤーからマネージャーへと転向しました。理由は様々あるのですが、当時やっていた買い出しや動画撮影、朝ごはん準備など、雑用と思われるようなことかもしれませんが、1年生ながら上級生や部活動全体を支えられることに楽しさや、やりがいを感じていました。そのような想いから、全体目標に対して、自分が最大限貢献できるポジションはプレイヤーではないのかもと思うようになり、転向に至りました。この選択は事前に主将など一部の人のみにしか相談せず決断したため、周囲を驚かせてしまったかもしれません。受け入れて下さった先輩方・同期には感謝しています。
この決断により私は、“頑張れ”と言われる立場から、“頑張れ”と言う立場へと変わりました。この立場の変化が私にある変化をもたらしました。それは、選手に“頑張れ”と言いたくなくなってしまったのです。これは決して応援したくなくなったとか、支えたい気持ちが薄れたというわけではないです。一言で表現するのは難しいけれど、今振り返ると自分自身がその言葉を発するに値しないと感じたからなのだと思います。
ヨット競技だけではなく、競技スポーツには共通のことですが、楽しいだけではない部分がいつか必ず来ると思います。私はヨットのそのような部分も知っているつもりでした。その上で、選手たちは練習に打ち込んでいるし、やっぱり頑張っていました。そのために、勢いで“頑張れ”なんて言えなくて、頑張れと言うのが無責任なような気がしてならなくて、プレイヤーの時は沢山言っていたはずの頑張れという言葉が、心から言えなくなっていました。ただそれでも選手たちに響く“頑張れ”を届けたくて、どうすればいいか頭を悩ませました。そして、もし自分だったらどんな頑張れが響くのかを考えました。その結果、そんな素敵な「頑張れ」を言えるのは、その人自身が頑張っている人なのではないかと思うに至りました。つまり、言葉に行動が伴っている人です。その言葉の裏に、行動や時間や努力を重ねてきた人の言葉には重みが出て、それが選手に響くと思ったのです。そこからは、選手が常に練習に集中できる環境づくりをするという目標とともに、選手に「頑張れ」と言うのにふさわしい人になることを目標に、奮闘する日々が始まりました。その過程は、ひけらかすようで嫌だし、長くなるので省きますが、案の定そう簡単には上手くいかず「頑張れ」と言えない日々が続きました。ただ、少しずつチームからの信頼を得ることができるようになる中で、「頑張れ」に代わって胸を張って言える言葉ができました。それは“頑張ろう”です。コーチのように適切なアドバイスもできず、試合結果に直接関与できない人間がこの言葉を言うのは少しおかしいかもしれません。でも、海という戦場で練習を運営することで選手と一緒に戦えている感じが好きだったのと、声に出すことで私も頑張らなければと自らを戒める想いもあり、朝の出艇前や大会前などに好んで使っていました。
結局最後まで、選手たちに「頑張れ」と言える人になれたか分かりませんが、選手たちが頭の片隅で、優丞も頑張ってるんだし頑張ろうと思ってくれた瞬間がどこかにあったら、これほど嬉しいことはありません。私は、戦場までの道をサポートすることしかできませんでしたが、皆と共に戦えたことは本当に幸せで、とても誇りに思います。戦ってくれたプレイヤー・マネージャーの皆ありがとうございました。
続いて後輩たちへ、このかけがえのない時間を同志と過ごせることを存分に楽しんで欲しいです。そして、楽しみ方は自分次第で良いし、その楽しさは自分の姿勢でどうにでもなると思います。
今はまだ遠くに壮大な全体目標があるかと思います。でも個人の力量・技術・知識は何もかも異なります。各個人にチーム内で役割があって、それぞれの課題があって、それぞれの目標がある、だから、楽しさや、やりがい・モチベーションは他人と比べるものではなく、その人の唯一無二のものです。大きいから凄い、小さいからダメなんて次元で決まるものではないです。その楽しさや、やりがいを大切にしてください。
月並みですが、人生は選択の連続です。何かを選ぶということは何かを選ばないということ。言い換えると、何かを捨てなければ何かを得ることはできません。みんなにとって得るものが大きいヨット部生活になりますように。これからはOBとして、いつでも応援しています。
最後になりますが、改めてこの4年間支えて下さったすべての皆様に感謝申し上げます。今後とも明治大学体育会ヨット部へのご指導ご鞭撻をよろしくお願い致します。