平素よりお世話になっております。農学部食料環境政策学科の古野翔です。今年度はスナイプクルーを努めさせていただきます。
昨年度は僕の中で飛躍の年になったのではないのかと振り返れば思います。去年の今頃、僕は新米スキッパーとして同期と始動しました。初めて乗った時に、自分がまだヨットの何たるかを何も理解していないのだなと思い、衝撃を受けました。舵を握っている以上、自分は走らせることに集中しなければなりません。でも、ついつい周りを見てしまうのです。「この船を走らせているのは俺だ!」という意識が生まれたからです。
もちろん沢山の悩みを抱えることもありました。最初に乗った織田とはお互い何が正解で、何が不正解なのかわからず、ドベを取るたびにうんうんと唸っていました。何かが他のペアと違うことはわかっていましたが、それをうまく見つけられていなかったのです。
溝口と出場した、僕のスキッパーとしてのデビュー戦である関東個戦は、ありとあらゆる英語を叩き、 とんでもない順位で終わる結末となってしまい、ヨットレースの厳しさ、自然の厳しさを目の当たりにしました。
初めて河野と乗った時は、自分が先輩として後輩を成長させるにはどうするべきか、同期と当たり前のようにできていたことを後輩にどう伝えれば良いかなど、ペアを組むということの難しさを感じました。
しかし、このような失敗や悩みは僕にペアとの会話や全ての礎となる動作の重要性を再確認する非常に大きなターニングポイントとなり、今後のヨットに生かすことが出来ました。
そして、最も大きかったのは夏合宿からクルーに転向し、岡本、二木さんと共にインカレのレギュラーを目指したことでした。スキッパーでインカレに出場したいと始めた時から考えていたため、それをもう少しのところで諦めなくてはいけないのはとても悔しかったです。ですが、僕と一緒にスキッパーを始め、共に切磋琢磨しながら成長して来た岡本とならレギュラーの座を奪えると確信し、クルーとして岡本とペアを組むことにしました。
初めから上手くいくわけもなく、体重が軽い僕らは少し吹いただけで叩いてしまいます。強風になるとスキッパーを始めて1ヶ月足らずの後輩にでさえ歯が立ちませんでした。だからこそ、軽風だけは絶対に負けられないという思いを胸に、夏の練習に力を入れました。その結果、江ノ島スナイプを境に関東個戦など目に見えてわかる良い順位で帰って来られるようになり、三番艇として全日本インカレに出場することができました。一般生でも全日本という土俵に立つことができると証明することができました。僕の中では3年を積み重ねてできた大きな成功です。
ですが、昨年は全日本の土俵に立っただけです。そこで止まってしまっています。まだ、そこで活躍できていません。結局全日本で勝たなければ気持ちよく引退を迎えることなどできないのです。
そんな最後にならないよう、今年も飛躍の年にしていきたいと思います。去年と同様に素晴らしい同期や後輩に囲まれながらヨットをすることができます。彼らへ共に過ごして来てくれた恩を返すためにも、僕をここまで成長させてくださった先輩方のためにも、僕たちに熱く指導や支援をしてくださった監督や歴代のOBの方々のためにもチームが全日本の土俵で活躍できるよう、全力で動いていこうと思います。
よろしくお願い致します。